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    あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡    
   著者:ビル ストリックランド
   
   読者のコメント



貧困は再生産される。

再生産された閉じた世界では、更なる反社会的な行為が
クールに映り、少年たちは一時の快楽と引き換えに
取り返しのつかない転落を繰り返す。

何もかもが絶望的である。

抜け出したいと思ってもむなしい世界、すべての努力が
実を結ばない世界。

そんな世界で育った一人のティーンエージャー、ビル・ストリックランドは
・ある一人の先生
・粘土(何の変哲もないものだが彼の手に何かを伝えた)
とのごくささやかな出会いにより、
彼を取り巻く貧困を忘れて何かに没頭する時間を始めて手にし、
何の力もないはずの自分の手が、それまで世の中に存在しなかった
「美しい、価値があるもの」を生み出す瞬間に遭遇した。

後に社会企業家となる彼の何が他の少年たちや大人たちと違ったのかはわからない。

貧しさの中で矜持を保った母のおかげか。

もって生まれた彼自身の資質のせいか。

ただいえるのは、彼は、自らに訪れた
「美しい、価値があるもの」との出会いに魅せられ、
自分にとってそれがかけがえのない体験であったことを
確信したということ。

そして、
その感情を、自分と同じような境遇の他者と
分かち合い、彼らにも救いのチャンスをもたらしたいと
願ったということ。

確信と願いが、情熱の源泉となり、熱はやがて周囲へと伝播されて
彼自身をも思っても見なかった方向に変えていく。

この本は、社会企業家へのイントロダクションや、英雄的行為の成功譚
などではない。

読んでいて胸苦しくなってくる、人生の可能性について書いた本だ。

以前より注目していたNPO、フローレンスの駒崎氏が監訳だということも
あらためてこの書籍がいま日本で紹介される意味合いを感じさせる。

2008年の終わりに飛び込んできた、ベストワンの良書である。




「落ちこぼれ」を作らないのではなく、最初から落ちこぼれなんて人々はいない。生まれた環境や学歴など問わず、人間はみな素晴らしい可能性を秘めているというビル・ストリックランド氏の考え方は素晴らしいと感じた。

また、環境が人を変えるという考え方もこの本を通じて感じました。例えスラム街などの貧困地域で育っても、小さな成功や素晴らしい環境で過ごすことを通じて向上心が生まれ、貧困から脱するために切磋琢磨するようになるという考え方は非常に斬新であると感じた。人々を「救済」するのではなく、「自らで変わっていける」人材へと育て上げようとする彼のビジョンは、世界に溢れる貧困やそれに苦しむ人々を助ける為の一つの道筋として今後も語り継がれ、実践されていくのではないかと感じる。

また何より、この本は自分が持っている夢を実現したいと感じている人全てにオススメしたい本でもあると思う。著者自身がどのような思いや夢を持ち、その実現への道を歩んでいったのかを知ることを通して、私自身が持っている夢、そしてその実現を目指すための意志が強まった。

この本を訳し、世に出してくれた訳者の駒崎氏に感謝したい




私なんてどうせ・・・とか、私にはそんな事無理だよとか・・・思ったり、
一歩踏み出せば、とても怖くて怖くて・・・
そんな繰り返しって誰にでもあるんだと勇気付けられました。

『私たちは後天的な要因に甘んじて、あれには手が届かない、こんな夢は実現しないと自分の可能性を
 狭めている。勇気を出し、ビジョンを見つけ、よりどころとなる信念を持ってほしい。そうすれば
 行く手にたちふさがる障害物を乗り越えながら本物の成功を手にし、
 豊かで満ち足りた人生を送ることができる。』

それをアートで示してくれたビル・ストリックランド氏。
自分を信じて、また周りにいる仲間に感謝して進んでいこうと思えた1冊でした。

ただ、駒崎さんの『社会を変えるを仕事にする』と比べると
読み手にとっては軽快感がなく、読み終えるのに時間が要しました。




訳書は基本読みづらく、大体途中で断念してしまうけれど、
この本は訳書が苦手な方でも、比較的読みやすい。

訳者は『社会を変えるを仕事にする』という本を書いている
日本の社会起業家の第一人者と呼ばれている駒崎弘樹さん。

駒崎さん自身が書かれている『社会を変えるを仕事にする』に比べるとかなり表現は堅いけれど
同じ志を持つもの同士だからこそ、文章が伝わりやすくなっているかもしれない。

さて、内容はアメリカで注目されている社会起業家ビル・ストリックランドの軌跡を綴っている自伝的なもの。

可能性を信じること。行動し続けること。

成功する上で必要なのは基本的なものばかりだけれど、
それを実現するためにはそんな基本的なことを愚直に続けることなのだと
改めて感じることができる一冊であると思う。

『こんな社会にしたい』
『こんな想いを実現したい』

思うことはもちろん大事だけれど、
それを実現するためには今、自分が何をすべきなのか。

今自分にできることをやってみようと背中を押してくれる本だと思う。




どちらかといえば、学生時代は優等生ではなかったビルのストーリーを読んでいくうちに、
有能な人が素晴らしいアイデアを駆使して行う社会的事業というイメージから、
ゆるぎない信念がある人ならば可能な社会的事業というイメージに変わっていった。
華々しい成功談だけではなく、どこか少しどろくさいビルのストーリーが詰まったこの本は、
自分を優等生だとは思わない、だけど何か世の中のためにしてみたい、そんな人に読んでいただきたい。

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